サウロミュートの誕生
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サウロミュートの構想は、約15年も前に始まります。当時既にプロトランペッターとして活動をしていたマイク・ジャロスは、ジョージ・ラバイが持ってきた、古いフィンチミュートの音色の虜になりました。それからというもの、マイクは世に新しいミュートが出る度に殆ど全ての商品を実際に試奏してきましたが、フィンチミュートのクールで柔らかい音色、そして演奏のし易さには到底及ぶものはありませんでした。
2009年の3月、マイクは練習中に首を傷め、医者から3ヶ月の演奏停止命令を受けました。自らの演奏で生計を立てているプロならば当然のことですが、マイクは将来的なキャリアに不安を抱きます。そして、その治療の3ヶ月の間に現在サウロミュートとなるものの原型を創り始め、試奏の為の第1試作品を完成させました。
マイクはその第1試作品のフィード・バックを得るため、すぐさま友人のプロトランペット奏者たちに電話をしました。試奏を終えると、ジェイ・ウェブ(デモ奏者)をはじめとする友人達は皆、それがバケットミュートに近いと感じたものの、吹き心地がとても自然で演奏が楽しくてしょうがないこと、そして音色が「ソウルフル (Soulful)」で感情豊かに表現できることに魅了されたのです。
感情が潤沢にこもったソウルフル(Soulful)なサウンド、そして、ソロ(Solo)トランペットプレーヤにとってこの上ないアイテムであることから、「Soulo」という名前が付けられました。近年、世界中のプロトランペット奏者が、古く実用的とは言い難かったバケットミュートを捨て、このサウロを使用しています。日本にもこの波が来る日は近いでしょう。